53: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 23:01:01.92 ID:CYpm3u/s0
「入って」
「……あ、アンタも…い、い、一緒かよ?」
「一人にするわけないでしょ…。冗談はいいから、そのまま入って。それだけ濡れてたらもう同じでしょ」
「……わ、わかったよ……」
いつになくPの声のトーンが低く、目も据わっているように見えて気圧されてしまった。
ひょっとするとこれがPの怒った時の変化なのかもしれない。
「んっ…ぁぁぁあああ………っ!」
浸けた足先から頭のてっぺんまでヒビが入ったと錯覚するくらいに熱いお湯だった。
それでも足を抜くことはできず、もう片方の足先も突っ込んで、結局溶けるようにバスタブに横たわってしまう。
まだバスタブは満杯になっていないから首元までは浸かれないのが残念だ、と思ったところで狙いすましたように熱いシャワーが降り注いた。
バスタブの脇に座り込んだPがアタシの浸かり切れていない部分にシャワーをかけてくれていた。
「ふぁぁぁ………」
「お湯の温度大丈夫? 熱くない?」
「ぁ……あぁ……ちょうど…いい…」
胸元にかけて、膝にかけて、肩にかけて…頼んでもいないのにせっせと働くPの所為で、アタシのギザギザな感情が削がれていく…。
「だりーに…酷いことをしちまった……」
気付いた時にはもう喋り出していて、アタシはさっきの事務所でのことをPに洗いざらい白状した。
「………な? 死んだ方が良いだろ? こんなアタマおかしいヤツはさ……」
「そう…だったんだね………はぁ〜〜〜〜」
Pが俯いて深く息を吐いた。
その後で顔を上げたPの表情からは硬さが取れているように見えた。
「ボクはてっきり……誰かを殺しちゃったんじゃないかと……はぁ〜〜」
「ころっ…!? はは…流石にそれは………ないぜ…」
「とはいえ、李衣菜ちゃんにしちゃったことは…それはそれで結構深刻だね…」
「だ、だから…っ!」
「だから、ちゃんと謝らないとね?」
「ぁ……くっ……」
そう言ってじぃっと見つめてくるPから目を逸らそうとしても、頬に当てられたPの温かい手のひらに阻まれて、アタシは目を閉じるしかなかった。
その拍子に目尻からポロりと零れてしまって、改めてなんであんなことをしてしまったのかと心底後悔した。
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