6: ◆ao.kz0hS/Q[saga]
2017/02/25(土) 21:53:45.58 ID:CYpm3u/s0
また涙目になりそうになっているだりーの瞳にははっきりとした尊敬と信頼の情。
いや、それだけでなく…
「……っ」
ずきり、と不意に胸が痛み、息を飲んだ。
何故か最近この三人でいるときによく感じる切ない痛みだった。原因は…不明。
「は、ははっ…たしかに、アタシらをこの番組にねじ込むたぁアンタにしちゃいい仕事だったぜ! いったいどんな魔法を使ったんだい?」
二人ともアタシのことは見ちゃいなかったが、妙に居たたまれない気分になってしまい取り繕うように冗談を飛ばす。
「そ…れは……っ」
「ん?」
「Pさん…?」
冗談には冗談で返してくれりゃいいのに、何やら気まずそうな顔で言い淀むPさん。
そして一呼吸置いて笑顔を作って…
「それはもちろん…夏樹ちゃんと李衣菜ちゃんの実りょ」
「P〜くぅ〜ん♪ まだここにいたんだね♪ 探しちゃったよぉ♪」
Pさんが喋り始めたところで、三人以外の声がねっとりと響いた。
「え? あっ…○○社長……っ!?」
○○社長と呼ばれた男がドスドスと足音を立てながらPさんの背後から近づいてくる。
Pさんのすぐ後ろにまで近づいてきたソイツはPさんの肩に親しそうに両手を置き、肩もみをするように指を動かし始めた。
いつの間にか、だりーはPさんの手を放しアタシの背後にまで下がっていた。
デカい…。身長は180センチ以上あるだろうか? しかも肥満体形だから、優にPさん二人分、ひょっとすると三人分近い体重があるかもしれない。この二人が並ぶと、まんま大人と子供にしか見えなかった。
「お…おせわになって、おります…○○社長…」
「はぁい♪ お世話してますぅ〜〜♪ んふふ♪」
「突然いらっしゃって…どうされたんですか…?」
「それがねぇ〜♪ 急にねぇ〜Pくんと、打ち合わせ、しないといけないことができてね〜♪ わざわざやって来たんだよぉ〜♪」
「っ…そ、そうですか…ご足労いただき申し訳ございません…」
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