【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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183:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:15:01.02 ID:Eb2omwdb0
ガクン、とヨットが止まり、エンジンが空ぶかしされる音が響く。
ソフィーがまた舌打ちをし、舵から手を離して左腕を振った。
ヨットの上におびただしい数の手榴弾が、どこからか現れ、ゴロゴロと転がる。
白い子猫が、口を開いて

以下略 AAS



184:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:15:33.85 ID:Eb2omwdb0
髑髏だった。
カタカタと顎骨を鳴らした、おぞましい頭蓋骨が、眼窟の奥を鈍く光らせながらこちらにゆっくり進んで来る。
天を衝くほどの、巨大な頭蓋骨だった。
あまりの光景に腰を抜かして唖然とする。
どうすればいいのか、という次元を越えていた。
以下略 AAS



185:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:16:02.53 ID:Eb2omwdb0
その手から赤いビー玉が離れ、ゆっくりと光を発しながら浮かび上がっていく。
そこに手を伸ばし、彼女はハッとした。
足を誰かに掴まれている。
慌てて下を見ると、白い骨に腐りかけの肉をまとった、腐乱死体のようなものが……海の底におびただしい数漂っているのが見えた。
その中の一体が手を伸ばし、ガッチリと汀(なぎさ)の足を掴んでいたのだ。
以下略 AAS



186:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:16:30.95 ID:Eb2omwdb0
私は、ここで死ぬのだろうか。
この悪夢の中で、溺れて殺されてしまうのだろうか。
怖い、苦しい。
誰か。
誰か……。
以下略 AAS



187:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:17:10.76 ID:Eb2omwdb0
そうだ、私は死なない。
私は、幸せになるんだ。
沢山の人を助けて。
沢山の人を救って。
子供もたくさん産んで。
以下略 AAS



188:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:17:36.67 ID:Eb2omwdb0
光る赤いビー玉を大事そうに手で掴んだ少女が、隣に浮いていた。
彼女は持っていた出刃包丁で骸骨を叩き割ると、半ば意識を失っている汀(なぎさ)を抱え、その口に赤い玉を押し込んだ。
そして包丁を投げ、ソフィーを拘束している骸骨を破壊する。
少女に抱えられ、汀(なぎさ)はゆっくりと水面に向かって浮上した。


189:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:18:04.69 ID:Eb2omwdb0


目を開けた。
転覆したヨットの側部に引き上げられた少女は、自分より少し大きい少女に、口から口に息を吹き込まれ、咳き込んだ。
そしてゴボリと飲み込んだ海水を吐き出す。
以下略 AAS



190:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:18:36.11 ID:Eb2omwdb0
「なんだか……」

汀は体を起こして、理緒のことを強く抱きしめた。
ぐしょぐしょの病院服の姿で、二人の少女が揺れるヨットの上で抱き合う。

以下略 AAS



191:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:19:23.00 ID:Eb2omwdb0
汀は立ち上がると、理緒の手を掴んで引き起こした。

「あ……」

しかし理緒はふらつくと、そのまま汀によりかかるように崩れ落ちてしまった。
以下略 AAS



192:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/24(水) 16:20:05.68 ID:Eb2omwdb0
「どうしようもないってこと?」
「どっちみちこの世界はもうすぐ自壊するわ。夢の持ち主がさっき死んだから。もう存在していない夢の中に居続けることの方が危険だと思う」

汀はそう言って、理緒とソフィーの肩を掴んだ。

以下略 AAS



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