【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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247:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:59:25.06 ID:vhS4jR9Y0
軽口を叩いてきた汀に笑いかけ、彼はタバコに火をつけ、フーッと息を吐いた。
煙の匂いをかぎながら、汀はパックの野菜ジュースのストローを口にくわえた。
彼女の膝の上に置いてある、動かない左手の薬指には、プラチナの指輪がはまっていた。
それをしばらく見つめてから、男性は視線を青い空へと向けた。

以下略 AAS



248:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 18:59:52.61 ID:vhS4jR9Y0
そして小さく、ポツリと言う。

「網原……いや、大河内君。私は、君に謝らなければいけないことがある」
「それはそれは。会議までに終わるかしら」

以下略 AAS



249:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:00:23.28 ID:vhS4jR9Y0
「そうだ」

汀は少しの間沈黙していた。
そして、動く右手で、白濁した右目をなでた。

以下略 AAS



250:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:00:49.42 ID:vhS4jR9Y0
「消えることはない。私は、一生そのカルマを背負い続け、一生苦しまなければいけないんです」
「…………」
「それはいつか、私の心を蝕み、体は朽ちて、死へと誘っていくでしょう。私は、やはり苦しみの中で死ぬのかもしれません」

汀は、しかし男の方を向いて、屈託なく笑ってみせた。
以下略 AAS



251:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:01:25.94 ID:vhS4jR9Y0
「ドクター大河内!」

そこで背後から声をかけられ、汀は振り返った。
少し離れたところで、金髪の背が小さな女医が、パタパタと走ってくるところだった。

以下略 AAS



252:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:01:55.72 ID:vhS4jR9Y0
「さっきよ。っていうか、私昨日飛行機の中からあなたにメールしたわよ。見てないの?」
「あら……ごめんなさいね。忘れてた」

屈託なく言われ、ソフィーは肩をすくめて汀の車椅子、その取っ手を掴んだ。

以下略 AAS



253:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:02:25.55 ID:vhS4jR9Y0
「うふふ、そうね。違いないわ」

優しく彼女の言葉を肯定し、汀は小さく欠伸をした。

「ちょっと、寝ないでよ? これから会議なんだから」
以下略 AAS



254:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:02:57.19 ID:vhS4jR9Y0
「先生! 先生見てー! 教えてくれた折り紙、うまく出来たよ!」

女の子が手にたくさんの折り紙作品を持って汀に呼びかける。
声を聞きつけて、次から次へと子供達が集まってきた。

以下略 AAS



255:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:03:26.65 ID:vhS4jR9Y0


自殺病は、なくならなかった。
人々の心に蔓延したスカイフィッシュは少なくはなったが、まだ活動はしている。
十年経ち、変わったことといえば……。
以下略 AAS



256:天音 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2017/05/25(木) 19:03:57.36 ID:vhS4jR9Y0
恐怖に依るエラーを心に蓄積させながら、それでも人は生きていく。


生きざるを得ない。


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