32:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:29:46.94 ID:vqIh3XJD0
なにはともあれ。
予定より早く解放された私は、Pさんの車でお店へと向かっている。
33:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:30:47.01 ID:vqIh3XJD0
しかし、いざお店に着いてみると。
「お待たせ、ここだぞ」
34:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:31:51.62 ID:vqIh3XJD0
「いいんですか?支払い、高そうですけど」
そんな苛立ちからか、いつにも増して突っけんどんな声が出る。
35:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:32:21.66 ID:vqIh3XJD0
そうして、私は彼との束の間の恋人ごっこを楽しんだ。
食べたものはどれも美味しかったような気がするけど、正直よく覚えていない。
お店の皆さんには申し訳ないけど、味よりも私と同じパフェをペロリと食べた彼の満面の笑みのほうがよっぽど印象深い。
36:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:34:13.62 ID:vqIh3XJD0
楽しい時間は、あっという間に過ぎて。
私たちは、私の家への帰路に着いている。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:34:45.41 ID:vqIh3XJD0
やっぱり私は、あなたのことが大好きです。
Pさんは鈍いから気づかないでしょうけど、今だってタブレットを見るふりをしながらミラー越しにあなたを見るのに忙しいんですよ?
38:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:35:58.36 ID:vqIh3XJD0
そうして私の家の近くまで来た、ちょうどそのとき。
BGM程度に聞き流していた、リクエスト曲を延々と流すラジオから、世界でいちばん聞き慣れた曲が流れ出した。
39:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:37:15.96 ID:vqIh3XJD0
真逆の心に、気づいてほしいだなんて。
そんな虫のいい話があっていいわけがない。
そんなの、ただのわがままだ。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:37:52.59 ID:vqIh3XJD0
私が、まだ子供だから。
心も体も幼くて、弱いから。
41:名無しNIPPER[sage saga]
2018/10/23(火) 00:38:33.24 ID:vqIh3XJD0
「おーい、着いたぞ」
Pさんの声にはっとして窓の外を見ると、そこは確かに私の家だった。
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