とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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47:名無しNIPPER[saga]
2018/12/02(日) 01:44:10.30 ID:OK4VtL/40
(しまった。遅かったか)

中を見ると、既に講演は始まっているようだ。ポケコンで確認すると確かに時間を過ぎている。
俺と同じ学生と思わしき人もちらほらいるが、多くは科学者や教師であろう大人たちだった。
既に結構な人数が入っている中、俺は居心地悪く少し身を縮めて、空いている席に腰を下ろした。

(マイクを持ってるあの女の人が講師か。思ったより若く見えるな。隈が凄いけどちゃんと寝ているのか?)

セミナーは数日間開催されているが、毎回同じ人間が講演をするわけではない。
日によって人が変わり、また講師が同じ人でも日が違えば話すテーマが異なっていたりするらしい。
二日前は記憶の仕組みについて話していた講師が、今日は夢を見るメカニズムについて話したりといった具合に。

(さて、あの人の講演は今日が初めてなのかは知らないけど、今回のテーマは何なのかね)

普通に考えて冒頭に自己紹介や目次、イントロダクションなどがあったのだろうが聞き逃してしまった。

「――――さて。ここまでお話ししたところで、先ほど軽く触れた『フレーム問題』のことを思い出してください」

落ち着いた女性の声。だが声にはあまり張りがない。
というかいきなりおかしな専門用語が飛び出したぞ。日本語でOKだ。

「改めて『フレーム問題』について簡単に説明しておきましょう」

大変助かる。

「『フレーム問題』は、ある事項を達成しようとした時に、それを達成するには何がどうなっていればいいのか。
その成功の条件づけが無限に拡大され、事実上不可能となることを言います」

講師の女性が壇上のノートパソコンに触れると、巨大なスクリーンに映し出されたパワーポイントが送られる。
そこにある図解を示すと、

「ここにいらっしゃる皆様が、ファストフードでハンバーガーを買ってくるよう要求されたとしましょう。
するとおそらく全員がこの要求を簡単に達成することができると思います。ですが、これが人工知能だったらどうでしょう?」

スライドがまた一枚送られる。


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