とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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48:名無しNIPPER[saga]
2018/12/02(日) 01:44:43.24 ID:OK4VtL/40
「ダニエル・デネットによれば――――」

誰だそいつ。

「こちらの例を使いましょう。洞窟の中にロボットを動かすバッテリーがあり、その上に時限爆弾が仕掛けられています。
ロボットは洞窟から『バッテリーを取り出してくる』という命令を受けたため、洞窟に入りバッテリーを取り出してきました」

「しかしロボットはバッテリーの上に乗った時限爆弾も一緒に運び出したため、直後に爆発を起こしてしまいました。
……さて、お越しいただいた皆様の中に学生とみられる方がそれなりにいるようですが、学生諸君はここで考えてみてください。
何故ロボットは爆弾も一緒に運び出してしまったのか? 爆弾は固定されているとは言われていないのですから、バッテリーだけを持ち出すこともできたのではないでしょうか?」

そう指示され、少し考えてみる。
ロボットの完成度については多分考えなくていいだろう。
つまり爆弾ごとバッテリーを持ち出すことはできているわけだから、やろうと思えば爆弾もどかすことができたはずだ。

では何故ロボットはそうしなかったのか。
……思いつかなかったから?

(というより、ロボットなんだから爆弾をどかすよう命令されなかったからか?
命令はバッテリーを持ってこい、だ。別に爆弾をどかせなんて言われてない)

たっぷり20秒から30秒ほど思考する時間を与え、女性講師が再びマイクを取る。
答え合わせだ。

「どうでしょうか。たとえ間違っていても、自分で考えるということは大切なことなので気にする必要はありません。
……ロボットに下された命令はバッテリーを取ってこい、でしたね。ロボットはこの命令は理解していました。
しかし、副次的に爆弾も運び出すことになる、という点までは理解していなかったためです。それは命令にはありませんでしたね」

「……このことを踏まえて作られたロボット2号は、目的の達成に伴う副次的事項まで考慮するよう設計されました。
では、この2号は命令を達成できるのでしょうか」


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