とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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56:名無しNIPPER[saga]
2018/12/07(金) 00:38:14.14 ID:BiscX6p50
『むー。とうまはどうするの?』

「俺は遅くなるようならどっかで簡単なもん買っていくから」

それから少しの間とりとめもない会話をして、通話を切ろうとした時。
インデックスが呟いた言葉が妙に耳に残った。多分あいつは特に意味を込めたわけではないんだろうけど。

『とうま。気を付けてね』

「気を付けて……か」

頭の中でネットに貼られていた第二の事件『ヴァンパイ屋』による被害者の、凄惨な死体を思い出して。
気持ちの悪さと一緒に、ただの杞憂だとそれをねじ伏せた。

「――――逆に言えば、世界は電気仕掛けであるからこそその逆も可能だろう、ということです。
これについてはまだ実用化には遠いものの、以前とは比較にならないほどの進展を見せています。
……とはいえ、人間の脳は未だ限りなく未知数です。学園都市といえば能力ですが、その能力が脳のどこに宿っているのかすら分かっていません」

俺が戻ってきた時には既に話についていけなくなっていた。
誰かの質問に対して、女性講師が答えている。

やっぱり少し長話しすぎたな。
まあ最悪これまでの部分だけでもレポートは書けるだろうけど、ちょっと面白いとも感じている。

「……能力の発生過程については皆様ご存じのことと思います。
世界の法則を捻じ曲げる力。ミクロの世界を自在に操る『自分だけの現実』を観測し、現実に適用する。
ですが、根本的に能力を生んでいるのは何なのでしょう? 何故全く同じ『時間割』を受けても発現する能力やレベルに差が生まれるのでしょう?」

「……それは、未だヴェールの向こうに包まれています。人間の脳に、人間の叡智が届いていない領域が残っていることの証明です。
科学者の多くが手を伸ばし、しかし誰もそのヴェールを剥ぎ取った者はいません」

話を聞いて、俺は静かに自身の右手に目をやる。
これも俺の脳から生まれているものなのか?


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