とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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57:名無しNIPPER[saga]
2018/12/07(金) 00:40:19.48 ID:BiscX6p50
もしそうだとしたら、俺の脳は他の人と何がどう違うのか。
脳のどこがどうしてこんな力を生んでいるのか。疑問は絶えない。

「……『多重能力者』の誕生は、脳に莫大な負荷がかかるために実現不可能と言われています。
では、仮に『能力以外の不可思議な力』があるとしたら、脳という限られた器の中で能力との共存は果たして可能なのか。
それはどのようにして可能となっているのか。……馬鹿げた仮定ですが、個人的興味は尽きません」

思わずドキッとした。
『能力以外の不可思議な力』だって……?
まさか、魔術のことを言っているのか……?

能力と魔術の共存は不可能だ。
俺はそれを知っている。そんな無茶をしているヤツを一人知っているんだから。
能力者は魔術を使えないし、魔術師は能力を使えない。

「……さて、予定より少々長くなってしまいました。
これまでの話を学生向けとするならば、ここからは科学者向けと言ったところでしょうか」

「お集まりいただいた博識な方々には、ようやくお見せすることができます。
まだまだ不十分であるため、基礎的な部分のみの発表となってしまうことをお許しください。
……逆に学生諸君には少々難易度の高い話となるかとは思いますが、よければ聞き、少しでもその中身を噛みしめていただければ幸いです」

あの人が魔術を知っているわけはないだろうけど。
『能力以外の不可思議な力』。考えてみれば俺の右手だってそうだ。

……駄目だ。考えたって何も分からない。けどレポートのネタは大丈夫そうだ。
思い出してみれば一番大切なのはそれなんだった。とにかく何と引き換えてでも提出しなければ。

その後、セミナーは一応最後まで聞いていった。
理屈や説明の時に飛び出てくる専門用語の数々に振り回されて、いまいち飲み込めなかったけど。

あれが本当なら、とんでもないことじゃないのか……?
その名前はシンプルだったからかはっきりと覚えている。

『VR技術』。

ヴァーチャル・リアリティじゃなかった。
確か……そう、『ヴィジュアル・リビルディング』だ。


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