とある妄想科学の猟奇殺人(ニュージェネレーション)
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58:名無しNIPPER[saga]
2018/12/07(金) 00:42:01.13 ID:BiscX6p50
(もうこんな時間か)

ポケコンを見てみるともういい時間だった。
第七学区まで帰宅することを考えると、中々際どいな。
というより、完全下校時刻が近いから電車とかその手のものはもうすぐ止まっちまう。

受付の大層美人でおっぱいなおねいさんに挨拶をし、俺は外へ出た。
小走りで駅へと向かう。もし完全下校時刻までに間に合わなかったらどうやって帰ろうか。
インデックスは怒るだろうな。そうなったら鎮圧用に何か食い物でも買っていくか。

多分初めて来たであろう第三学区の、第七学区とはまるで違う街並みを眺めながら足を動かす。
その時――――ふと俺は何かに気付いた。
視覚じゃない。鼻だ。何か、おかしな臭いを感じる。

「なんだ……?」

辺りをぐるりと見まわしてみる。
そして、見つけた。近くにぽっかりと口を開けた小さな路地裏があった。

「…………」

……本当に、入ってもいいのか?
何故かそこから得体の知れないプレッシャーみたいなものを感じる。

絶対に踏み入るな、と警告されているような気がする。
悪魔か何かが大口を開けているような、一歩踏み込めばそのままずぶずぶと底なし沼に沈んでいきそうな。

……なんだ? 前に、どこかでこんな感覚を覚えたことがあったはずだ。
そう。思い出した。あの時だ。あの、地獄のような『実験』が行われていた時。
同じ顔をした大勢の御坂妹。その一人が死んでいた、あの路地裏と同じ種類の重圧を感じるんだ。

でも、だとしたら……行かなきゃいけない。
もしこれがあの時と同じ気配なら入るべきなんだ。

あの時だって、路地裏に入らなかったことで『実験』を知ることがなかったら。
御坂妹は殺され美琴も死んでいくなんてことになっていたら、それは絶対に後悔していたことなんだから。

「行けよ、上条当麻」

俺はどこかから湧き上がる感情に背中を押され、路地裏へと入っていった。
辺りには散乱した紙屑や埃。それらが吹き抜ける風に煽られて地面を擦りながら飛ばされていく。
一度入ったらもう二度と戻ってはこられない。そんな錯覚さえ覚えさせられる。


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