中野一花「うらはらちぇいす」
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8:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/07(月) 22:31:57.87 ID:Qn8TGrOM0
「上杉君、最近ちゃんと眠れていますか?」
「どうした急に」
「ここのところずっと元気がないので。自分たちが負担になっているんじゃないかなと」

 実際は、お前の知らないところで複雑化した人間関係を思って精神が摩耗しているだけなのだが。しかしわざわざこんな特大の爆弾情報を教えてやるわけにもいかず。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage]
2019/01/07(月) 23:49:31.03 ID:eITSZD1R0
期待


10:名無しNIPPER[sage]
2019/01/08(火) 01:16:44.88 ID:VCT3EeW/o
待ってたぞ


11:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:19:50.78 ID:PhxU7pY/0
「来ないね、一花」

 四葉の一声。
 時計の針は図書館が閉じる三十分前を指しているのに、一花は未だ現れる気配がなかった。それどころか遅刻の連絡すらなく、今彼女がどこにいるのかも定かではない。
 これまでも定刻にやってこれないという事態がなかったわけではないが、そういう時には必ず連絡が来ていたので、無断欠席は初めてのことになる。二乃なんかは、先ほどからシャーペンの芯を出したり引っ込めたりしてまるで落ち着きがない。おおかた事故か何かに遭遇したのではないかと憂慮しているのだろう。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:20:23.11 ID:PhxU7pY/0
 緊張から解放されたように二乃が肩の力を抜き、その他の一同の雰囲気も心なしか弛緩した。この空気感の中で勉強が捗るとも思えなかったので今日は解散する旨を告げると、全員が用具を鞄にしまい始める。
 その中で。

「フータロー、この後時間ある……?」

以下略 AAS



13:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:20:51.87 ID:PhxU7pY/0
 お前そんなリスキーな装備で姉妹の前に出てきたのかと叱責したくなるが、これに関しては熱に眩んだこの前の俺が明確に否定なり拒絶なりを示さなかったのが悪い。パンツを履いていない女の子に発情する性癖があるなんて思われては双方に何の得もないので、いずれ矯正しなくては。

「フータロー、今日はウチでご飯食べていけば?」
「なんだ突然」
「この調子だと一花は向こうで食べてきそうだし、そうしたら一人前余るじゃない」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:21:19.10 ID:PhxU7pY/0
 夕飯の誘いは魅力的ではあったが、俺は今後二乃から提供される飲食物に対し、常に細心の注意を払わねばならない。四度目は流石に食らえないだろ……。
 不満げに唇をつーんと突き出す二乃から目を逸らし、五月に軽く目配せをした。「昼の鬱憤は夜晴らせ」的な意味合いを込めて。当然分かってもらえるはずもないが、そこらへんは五つ子でやりくりしてもらおう。

「ほら、さっさと帰った帰った。ちゃんと自習もしとけよ」

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:21:46.45 ID:PhxU7pY/0
 室内にいると窓の外の変遷に疎くなってしまうようで、見ればとっぷり日が暮れていた。イマイチしっくり来ない位置に収まった鞄を身をよじってちょうどいいポジションに寄せ、重たい脚をとぼとぼと前に進めだす。一応後ろを確認してみるが当たり前にそこは無人で、後ろを尾けられているという事態はなさそうだった。
 念のために周囲を更に複数回検分するが、やっぱり人の気配はしない。肺にこもった重たい感情を呼気として吐き出してから、取り出したケータイでリダイヤルした。

「なぜここまで手の込んだことを……」
『なんとなくかな?』
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:22:14.69 ID:PhxU7pY/0
 電子音に変換された肉声はどうにも無感情に聞こえて、何かに怯えたように腕に鳥肌が浮かび上がった。女優見習いの面目躍如、だろうか。

「一花」
『なに?』
「二人で話したいことってなんだよ」
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/08(火) 01:22:43.51 ID:PhxU7pY/0
「だけど、いくら何でも姉妹騙くらかしてまで時間作ることはないだろ」

 実のところ、一花の欠席には予め断りがあった。今日の勉強会には参加できないと、放課後になってすぐ俺に連絡が届いていたのだ。
 ……だがまあ、問題はその後で。



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