5:名無しNIPPER[ saga]
2019/01/20(日) 20:44:29.04 ID:ukwsVoEQ0
「しゅ、集中しててな」
手に持った単語帳を強調する。俺はすっかり勉強に没入してしまっていたから、周りのことになんかなんら意識が移らなかったのだと。
「あんたさ」
「なんだ……?」
「困った時に前髪触る癖があるわよね、そんな感じで」
「…………」
言われて気づいたが、俺の右手は無意識のうちに親指と人差し指で前髪をいじくっていたらしい。意識下で制御できるものではないから癖と呼ばれるのだろうが、それにしたってそんな事細かなことを二乃に把握されているとは思っていなかった。故に狼狽し、単語帳を手から取りこぼす。客観的に見て、今の俺は相当に挙動不審だ。
俺と二乃とのちょうど中間点に落ちたそれを、彼女が先んじて手にした。構図としては、奪い取られるように見えなくもなかったけれど。
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