36:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:46:25.63 ID:kEcSo673O
初めて二人で入ったのは、事務所から五分のカフェだった。
37:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:47:20.18 ID:kEcSo673O
正直に言うと、驚いた。
「サボってしまって、ごめんなさい」でもなく、「アイドルなんてしたくないです、ごめんなさい」でもない。「迷惑を掛けて、ごめんなさい」と言ったのだ。
38:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:48:08.06 ID:kEcSo673O
「だ、大丈夫、大丈夫! 怒ってないから気にするな。トレーナーさんにも上手いこと言っておくからさ」
森久保の罪悪感を少しでも和らげようとしていると、店員が来た。
39:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:49:48.51 ID:kEcSo673O
しばらくしてその店員が湯気の立つマグカップを二つ持ってくる頃には、何とか森久保の涙も収まった。
ココアを受けとる時、彼女が小さく頭を下げる余裕を見せたので、ようやく安心した。
40:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:50:28.53 ID:kEcSo673O
二人で初めてのサボタージュ。そこで一緒に頬張ったガトーショコラは甘く、そしてほろ苦かった。
口を小さくもごもごと動かし、こちらの視線に気付くと、
41:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:51:28.14 ID:kEcSo673O
我に返ると依然として、ざわめきが俺たちを囲んでいた。インカムを付けたスタッフが走り、衣装を身にした少女達がうろうろと歩き回る。
その中で森久保は、きょとんとした顔をこちらへ向けている。
42:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:52:22.62 ID:kEcSo673O
ライブが始まりました。
舞台裏は相変わらず、皆さん忙しそうにしています。
43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:53:03.76 ID:kEcSo673O
緊張と不安を合わせた顔で動くアイドルの皆は、しかし同時に、生き生きとしてもいました。
……そう、まるで私とは真逆のように。
44:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:53:57.27 ID:kEcSo673O
一方で、そんなジメジメした胸の内で、驚いたこともありました。
「凛さん、次お願いします!」
45:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:54:41.39 ID:kEcSo673O
観客の歓声や、出演中の方の歌声、潮騒のような拍手。
そういったものが、くぐもりながらも耳に届きます。
46:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/12(火) 01:55:25.85 ID:kEcSo673O
それから少しして、Pさんが同僚さんに呼ばれました。それを待つ間、私はぽつぽつ一人で歩いて、あちこち見回っていました。
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