107:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 09:24:44.56 ID:SWPDcXJr0
「あそこへ行けば、《欠片》について何かわかるかもしれない」
俺は、《欠片》こそが透子に繋がる唯一の糸と信じて、亡者のように縋り、辿ろうとする。
「駆くんは……そんなに《未来の欠片》について知りたいの?」
「俺たちには、《欠片》についての情報が足りない」
「……足りない?」
俺と透子の関係は良くも悪くも《欠片》と切り離せない。
《欠片》によって出会い、《欠片》によって一時は結ばれたように思えた。
そして今また、《欠片》によって翻弄されている。
俺たちが前に進むために、《欠片》の謎を紐解くことはどうしても必要なんだ。
「考察も足りていないと思う。だから同じ場所で、同じ状況を作りたい」
そう、俺が言った、直後だった。
「っ……そうじゃない! そんなことじゃないッ!」
突然、声を荒らげた透子に、俺は言葉を失った。
「私、雪を見たのっ!」
透子はわなわなと拳を握って、何かに耐えるように下を向く。
「……あの場所で……一面の銀世界だった。周りじゅうが雪……あんなの初めて……」
そして小さく、それでいてはっきりと、拒絶した。
「私は、行かない」
ガラスの向こう側、一人で苦しむ透子の姿を見て、俺の頭から血が引いていく。
……俺は、何を、やっているんだ……?
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