109:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 10:16:48.67 ID:SWPDcXJr0
<第10話 ジョナサン>
目覚めは最悪の気分だった。
一晩で何歳も老け込んだみたいだ。
透子に拒まれたショックから立ち直れない。
母さんの提案に対する答えもまだ出せない。
家にいても落ち着けなくて、俺はそこが唯一の避難場所であるかのように、朝食を済ませるとすぐに例の高台に向かった。
古びたアルバムを手繰るように、透子のことを思い出しながら、時間だけが無為に過ぎていく。
どれだけ透子のことを考えても、集中しても、耳を澄ませても、失われたものは戻らなかった。
「……やっぱり、聞こえてこない」
《未来の欠片》は、全て幻だったみたいに、ノイズさえ捉えられなかった。
『もう《未来の欠片》は聞こえない』
《未来の欠片》は――透子との繋がりは、消えたのだ。
『でも、なぜ?』
『透子に出会ったからなのか?』
『もしかして、必要がなくなった?』
俺自身の迷いの反響のように、《俺》たちから疑問の声が上がる。
俺は彼らの問いを頭の中で再構築し、瞬間、雷に打たれたような衝撃が走った。
「っ――!?」
《俺》たちは――俺は、いま、なんと言った?
《未来の欠片》が消えたのは、透子と出会って、必要がなくなったから……?
もし、その仮定が正しいとしたら――。
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