110:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 10:20:31.40 ID:SWPDcXJr0
《未来の欠片》は、俺にとって闇夜の灯台だった。
その示す先に向かえば、いつかどこかへ辿り着いて、自分の場所を手に入れられると思っていた。
そして俺は透子に出会った。
透子との出会いは俺の《欠片》に大きな変化を齎し、ついには《欠片》を消し去った。
透子との唯一の繋がりは断たれた。
……本当に、そうか?
だって、俺はあの時、透子に触れて、確かに感じたはずだ。
《――やっと見つけた――》
そうだ、俺は見つけたんだ。
ここにいたい、そう思える場所に辿り着いた。
そばにいたい、そう思える存在にこの手で触れた。
《未来の欠片》を追い求める日々は終わった。
『なにか』や『どこか』を探す旅は終わったんだ。
かつての俺が漠然と欲していた『未来』は、既に今ここにある。
たとえ《欠片》が失われても、俺が透子に抱くこの想いまでは消えていない。
……こんなところで腐ってる場合じゃないだろ。
透子は今も一人で苦しんでいる。
まだ俺にできることはあるはずだ。
気持ちを奮い立たせるように、勢いよく立ち上がる。
なりふり構ってなんていられない……!
俺はとある場所を思い浮かべながら、即座に駆け出した。
171Res/212.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20