123:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/15(月) 11:11:05.34 ID:SWPDcXJr0
「そう。それに――」
俺は、透子に、一歩近づく。
降りしきる雪の中にいるという、透子。
何もかもが凍てつき、人影さえ見えない、一面の銀世界。
そんな寂しい場所に、透子が今、一人で立ち尽くしているというのなら。
どうにかして、その隣に俺は駆けつけよう。
透子の声が、存在が、ぬくもりが、俺の胸を満たしてくれたように。
「こうすれば……それは《未来の欠片》だってことだろ」
脳裏に、彼らの言葉が過ぎる。
『おまえ透子の気持ちに気づいてねえのかよ!?』
『ユキがかっこ悪くなったのはあんたのせい』
『おまえさあ、透子さんが好きなのか?』
『あなた、透子ちゃんのこと……好きなの?』
彼らは俺の覚悟を、気持ちを、問うてきた。
それに対する答えは、もう、決まっている。
それを伝えるべき相手も今、目の前にいる。
ならば、俺のすべきことは、ただ一つ――。
「っ……!」
震える彼女を、強く、抱き寄せて。
冷たい氷を溶かすように。
俺は透子にキスをした。
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