131:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 10:47:43.81 ID:OU1b3DXA0
「……そっか」
どういうわけか透子は、父さんとも母さんとも、俺が紹介する前にコンタクトを取ってしまう。
俺は透子を横目に見ながら、大事な人を紹介するつもりで、彼女の人となりを伝えた。
「気は優しくて優柔不断。周りに振り回されてて、本人は大変で、俺はその子をさらに混乱させてて……俺がなんにもわかってないって、わからせてくれた」
全ては、透子に出会ってから。
求めていたものを見つけたように思って、これで完全な形になれるような気がして、でもそれは結局ひとりよがりな願望で、俺は俺のことも、透子のことも、まだ全然わかってない。
本当に、透子に出会ってから、今までになかったことが次々と起きる。
『……そう』
母さんは、ゆったりと、優美な旋律にため息をもらすように言った。
『好きなのね』
俺は、少しの嘘も混ざらないように、力を込めて肯定する。
「…………ああ」
そうでありたい、と心から思っている。
だから、確かめるんだ。
俺は通話を切った。透子は窓の外を見ている。今も雪が降っているのだろうか。
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