132:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 10:51:42.57 ID:OU1b3DXA0
「……帰ろうか」
携帯を返すと、透子は、授業中に出た課題がまだ終わっていないというように、言った。
「私、もう少しここに残る」
課題の答えを探し求めているのか、教室の一点を見つめて言う、透子。
「なんか、今年の夏は、ここから始まった気がする」
それは、自惚れでなければ、透子が初めて俺を意識したことを言っているのだろう。
「もっと、ここにいたい。ここが私の場所なの。きっと」
「……場所?」
「さっちゃんが教えてくれた。季節と時間が、それから一緒にいる人が、いつもの場所を特別な場所に変えるって」
一緒にいる人――それならよくわかる気がする。
あの高台に透子を招いたとき、確かに、そこが特別であるように感じた。
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