134:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 11:01:35.60 ID:OU1b3DXA0
張っていた気が緩んで、少しうとうとしていた。
かつん、とリノリウムの床を硬い靴底が叩く音に、目が覚める。
外はすっかり日が暮れて、廊下は薄闇に包まれていた。
そこに明かりが灯る直前、俺はほとんど反射的に、階段下の死角に身を隠した。
かつん、かつん、という足音に耳を澄ませながら、俺は見回りの教師をやり過ごした。
廊下が再び闇に包まれる。
やり過ごした以上、美術準備室の中を確認しないわけにはいかなかった。
いや、まさか――そう思いつつ、扉に近づいて小窓から中を覗くと、
「っ……!?」
透子はまだそこにいて、目を丸くしてこちらを見ていた。
(……帰らなかったの?)
内側から、声をひそめてそう訊いてくる透子。それは俺の台詞だ。
(しばらくしたら帰るはずだったろ?)
だが、言ったところで状況は変わらない。
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