14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/03(水) 23:26:55.15 ID:DvK9a+dU0
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そして、翌日。
父さんの家のリビングのリクライニングソファの上で、俺は母さんの演奏する夜想曲を聴いていた。
『昨日は随分と思い切りがよかったな』
『けど、確実に反感を買った』
仕方がなかったんだ。時間も無限ではない。少し強引なくらいでないと。
『俺にしか聞こえない《声》なんて、よくわからないものに巻き込むんだからな』
『それでも、周りの彼らはまだ、適切な距離を置けばいいさ。ただ、深水透子――彼女には、どうしたって迷惑を掛けることになる』
そこは、俺も彼女に悪いと思ってる。でも、だからこそ急がなければならない。
『彼女も受験を控えているだろうから、期限はこの夏休み中か』
『忙しくなりそうだ』
『でも、ようやく巡ってきたチャンスだ』
『逃すわけにはいかない……な』
《俺》の言う通り。
こんな偶然はきっと、最初で最後。
今まで形のはっきりしなかった《声》――《未来の欠片》。
その正体に迫る手がかりを、俺はあの花火の日、《やっと見つけた》。
ずっと知りたかったことが、わかるかもしれないんだ。
掴もうとしても掴めなかった、《未来の欠片》の本当の意味。
不完全な俺に足りないもの、今の俺に欠けているものが、一体なんなのか。
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