143:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/18(木) 11:44:08.82 ID:OU1b3DXA0
そうして俺が覚悟を決められずにいると、突然、透子が何かに気づいて声を上げた。
「あっ……」
振り返ると、透子が食い入るように蜻蛉玉を覗き込んでいた。俺もそちらに目を凝らして、はっ、と息を飲む。
「駆くんにも見えてる?」
「ああ……」
ガラス球の向こうの、奇妙に歪んで、不可思議に色づく街。
そこに、いくつもの花火が上がっていた。
透子と初めて出会った日――俺がこの街にやってきた最初の日。
あの時、透子の《欠片》を通して見た景色のように。
色とりどりの大輪が、日乃出浜の海上に咲いては、水平線の下に消えていった。
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