156:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/20(土) 13:58:19.46 ID:e2KAc5lx0
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カゼミチの店内に入ると、高山は奥のテーブル席に向かった。
俺は彼女と向き合うように席を選び、そこに落ち着く。
高山は真面目な顔になって、いよいよ本題を切り出した。
「約束を果たして。もし忘れてるなら説明するけど」
「覚えてるよ。君との約束なんて一つしかない」
海で言われたこと――『きっちり説明してもらうから』――を思い出しながら、俺は答える。
そのとき、エプロン姿の白崎祐がコーヒーを持ってやってきた。高山は彼に「座る?」と声を掛けたが、気遣い屋の白崎祐は「あとで聞くよ」と柔らかく断って、仕事に戻った。
「サチから大まかな話は聞いてる」
「……そうか」
それは永宮から既に聞いていた。永宮は、透子の『きらきらしたもの』のことを高山に尋ねられた、と言っていた。
俺は自分の《欠片》のことや、透子の《欠片》のこと、それが出会ってから今までどのように変化してきたのかを、掻い摘んで話した。
「君と約束をする破目になった海辺のことも、今回、透子が倒れたのも……俺のせいなんだ」
話を聞き終えると、高山は困ったような顔で言った。
「それって、どこまで信じればいいの? まるごと信じるのって難しいかも」
「それで構わないが、本当のことだ」
俺には《声》が聞こえ、透子には《映像》が見えていた。
そんな妙な力が、あの花火の日、俺たちを引き合わせた。
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