【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/04(木) 00:08:18.77 ID:dmglIwuH0
 言いながら、俺は透子の反応を伺う。

 すると、彼女はどういうわけか瑣末なことをぶつぶつと呟き始めた。

「……謝るってことは、誰にも聞かれてないと思ってお風呂場で歌を歌ってたり、いや、そんなことより、まさかテストの点、呟いてないよね……」

「どっちでもない」

「よかったぁ」

 透子はほっと安堵のため息をつくが、その様子がどこか空とぼけているように見えて、俺はつい意地悪なことを言ってしまった。

「悪いの」

「え?」

「テストの点」

「フツーそこ聞かないよ、察して!」

 今度はむうっと頬を膨らませる。ころころとよく表情の変わる子だ――と、脱線はこれくらいにしなくては。

「信じてくれるんだね?」

「今、ウソだっていえば許すよ、三秒ルールで」

「……嘘じゃない」

 真剣な声音でそう言って、俺はまっすぐに透子を見つめる。

 透子は俺の視線から逃れるように俯き、黙り込んでしまった。

 先ほどまで豊かに変化していた表情が、強い日差しに翳る。

 悄然と肩を落とすその姿に、俺は自分の性急さを悔いた。

 この子は――透子は、たぶん、自分の不安や動揺を胸の内に抱え込むきらいがあるのだろう。冗談みたいなことを言ったのも、場を和ませようとしてのことかもしれない。だとしたら、悪いことをした。


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