【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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37:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:31:39.20 ID:4h98r15f0
 それに、俺なりに、こうしてみたい、という漠然とした希望もある。

 母さんのようになりたい、という気持ち。

 色々な場所を飛び回るような仕事をして、生きてみたい。

 ただ、それ以上のことを考えようとすると、決まって胸の中に暗い靄が立ちこめる。

 迷っている……いや、踏ん切りがつかない、というほうが正しいか。

 不安が拭えない。躊躇いに足を取られている。

 今のままでは、いけない。

 胸に支えるこの気持ちに、どうにか決着をつけなければならない。

 そのためにも、今は彼女の……。



《――一緒に行こう――》



 その《声》は、ごく自然に、俺の耳に届いた。

 優しく、どこかへと誘う、彼女の呼びかけ。

 さらに、



《――違うのかもしれない――》



 暗い部屋で呟くような、不安げな自問。

 またしても、俺は無断で透子の未来の《声》を聞いてしまった。

 油断していた?

 ……いや、むしろ俺は今、望んでいたんじゃないか?

 『未来を見たい』と言った透子が、ほどなくして《未来の欠片》を見たように。

 俺もまた、心のどこかで彼女の《声》を聞きたいと思っていたのではないか――?


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