41:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 11:48:04.28 ID:4h98r15f0
「足、つらそうだけど」
「ただの捻挫」
「そんな足で出歩くのは感心しないな」
つい口調がきつくなって、自分でも少し驚く。
透子から彼女が『泣いてしまう』と聞かされていたからだろう。
軽率な行動を咎める気持ちが声に出てしまった。
なぜなら、彼女が悲しめば、透子が悲しむ。
俺は透子が悲しむ姿を見たくなかった。
「……カケル、って変な名前」
俺の小言に反発してか、高山は揶揄うようにそんなことを言った。
ひとまず、さほど気分を害した様子はないことに安堵する。
「やなぎ。いい名前だ。ひらがな?」
「漢字だと幽霊みたいだから、ひらがな」
『柳』ではなく、『やなぎ』。
彼女の名付け親が、どんな思いを込めたのか、想像を巡らせる。
「しなやかにして強靭」
「へ?」
「ひっそりとしてしたたか」
「あっ、それって――」
名前を褒められたと思ったらしく、高山は少し笑顔を見せ、今度は俺の名前を話題に挙げた。
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