43:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:17:32.32 ID:4h98r15f0
†
そこは、誰からも見落とされたような場所だった。
それでいて、誰かに見つけられることを待ち望んでいるような場所だった。
山歩きの途中、引き寄せられるように、俺はその高台に辿り着いた。
四方に解放されているのに、立ち寄る人はなく、閑散としている。
重荷になるから途中で捨ててしまったみたいに、特別なものは何もない。
そんな寂しげなところなのに、不思議と気が落ち着くのは、たぶん、ここが俺によく似ているからだろう。
一人で考え事をするにはうってつけの場所だ、と思った。
でも、実際に草の上に寝転がって、木漏れ日を浴びながら、ぼんやりと過ごしてみると。
隣に誰かいてくれたら、とも思う。
……いや、誰か、なんてはっきりしない言い方はよそう。
ここに深水透子がいてくれたら。
風の音に耳を澄ませながら、俺は彼女のことを思った。
171Res/212.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20