51:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 12:52:44.34 ID:4h98r15f0
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父さんから話を聞いてすぐ、俺は透子にリダイヤルした。ちなみに父さんは気を遣ってリビングから出ていった。
『はい、深水ですけど』
電話越しだが、本物の透子の声。久しぶりに聞くような気がする。
「やあ。さっきは留守しててごめん」
『あっ、いや……あの、さっき』
「若い娘さんに申し訳なかったって、親父が謝ってたよ。俺からも」
『私が勝手に間違えただけだから……』
少し間が空く。俺は小さく息を吸い込み、なるべく自然な調子で尋ねた。
「今からうちに来ないか?」
『えっ?』
「もし君に時間があるなら、親父がお詫びに手料理ご馳走したいってさ」
『手料理!?』
「親父、一人暮らしが長かったんで、料理うまいんだ」
『いや、でも――』
「俺になんか用だったんだろ?」
『えっ……それは、そうなんだけど』
気後れしているのか、遠慮がちな透子。でも、ここで引き下がるわけにはいかない。俺は押しの一手で続けた。
「俺も君に、伝えなきゃならないことがあるし」
『――え?』
「うち、わかる?」
『あっ……わからない……』
そうして半ば強引に、俺は透子を家に招いたのだった。
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