55:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/07(日) 13:12:34.86 ID:4h98r15f0
「なんかすっかりご馳走になっちゃって」
見送りの玄関、靴を履き終えて、扉の前に立つ透子。
「お邪魔しました」
何を躊躇う? 何を怖がる? いつまで同じことを繰り返す?
「それじゃ……」
なんでもいい、透子に伝えたいこと、聞かせたいこと、本当はたくさんある、そのたった一つでいい――。
「――こないだ、面白い場所を見つけた」
前置きもなく切り出すと、扉に手を掛けた透子が、「ん?」と振り返る。
「すぐ近くなんだ。見つけたとき、どうしても君をつれていきたくて、いつか誘おうと思ってた。これから行ってみないか?」
決心が鈍らないよう、俺は一気にまくしたてる。
その勢いが功を奏したのか、透子は、うん、と小さく頷いた。
「……待ってて。すぐ用意する」
必要なものを取りに、俺は家の中へ引き返す。
心臓がどくどくと高鳴っているのは、きっと、無駄にばたばたと動いたせいばかりではない。
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