60:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:48:25.82 ID:W+HAaMa50
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その日、俺は午前中と昼過ぎの二度、透子に電話を掛けた。
会う約束を取りつけるつもりだったが、一度目は慌ただしく切られ、二度目も要領を得ないまま早々に切られてしまった。
父さんが「何かやったんじゃないか?」なんて言ったせいで、もやもやと落ち着かない時間を過ごす羽目になった。
例の高台まで行って考えを整理したいが、透子から電話がかかってくるかもしれないと思うと、家を動けない。
……俺も持つべきなのだろうか、携帯電話。
なんて益体もないことを考えていた、そのときだ。
玄関のベルが、何者かの来訪を告げる。
透子だろうか、と期待を抱きつつ、俺は努めて冷静にインターフォンに出た。
返ってきたのは、硬く強張った、低い声。
「井美といいます」
――嫌な予感しかしなかった。
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