【グラスリップ】透子「かけるくん?」
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62:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 11:57:00.91 ID:W+HAaMa50
 状況的には、以前に透子からハイキングに誘われたときと同じ。答えは決まっていた。

 ただ、今回は相手が井美雪哉――気を遣う必要もないので、俺はあけすけに突っぱねる。

「なら断るよ。わざわざ波風を立てる必要もないだろ」

 俺が関わりを持ちたいのは透子だけだ。仲良しグループの和を乱すつもりはない――もう手遅れかもしれないが。

「おまえが来た時点で波風立りまくりだよ」

 苛立ちを隠さず、事実を告げる井美雪哉。

「……そうだろうな」

 後ろめたさは、もちろんある。

 俺さえ現れなければ、きっと彼らは今頃――あの日喫茶店でそうしていたように――五人で仲良くだべって、ハイキングや海水浴の計画を立て、高校生最後の夏休みを楽しく過ごしていたのだろう。

 全ては、俺が《未来の欠片》を――透子を求めたから。

「知っててやってるのか?」

「……ある程度は」

 俺の投げやりな物言いに神経を逆撫でされたのか、とうとう井美雪哉が振り返った。

「楽しいか?」

「楽しいわけないだろ。……副次的なものだ。君同様、やりたくてやってるわけじゃない」


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