63:名無しNIPPER[sage saga]
2019/04/09(火) 12:03:57.56 ID:W+HAaMa50
俺が透子に関わり、透子の友人関係に変化をもたらす可能性は、考慮していた。
それでも、引き下がるという選択肢はなかった。
透子は、俺がずっと探していて、やっと見つけた、《未来の欠片》を解き明かす鍵。
否、《未来の欠片》のことを抜きにしても、今や透子は俺の中でとても大きな存在になっている。
彼女から手を引くつもりはない。
井美、高山、永宮――君たちに配慮はしても、遠慮はしない。
「なんだよ、それ……っ」
歯切れの悪い言い回しばかりの俺に業を煮やしたのだろう、井美雪哉が声を荒らげる。
「透子との関係はなんなんだ!? おまえ透子の気持ちに気づいてねえのかよ!?」
「っ……!!」
なんだよ、それ――瞬間、そっくり言い返してやりたくなった。
透子との関係?
透子の気持ち?
そんなもの……俺だって知りたいくらいだというのに。
「――透子からは、何も聞いていない」
透子が俺をどう思っているのか。
透子が俺に何を求めているのか。
透子は俺とどうなりたいのか。
そもそも、透子の中で俺は、どれほどの存在になれているのか。
大事なことは何も話せていない。
それどころか、俺自身の透子に対する気持ちだって、はっきりと言葉で表せているわけではないのだ。
俺は透子をどう思っていて、透子に何を求めていて、透子とどうなりたいのか――?
自分でもよくわからない。
それに、これがもし仮に、透子と答え合わせをして、全てを理解できたところで、だ。
「君に言う必要もない」
それは俺と透子の問題であって、井美雪哉――君には関係がない。
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