82:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/09(火) 21:04:09.63 ID:W+HAaMa50
「…………そんなこと、ない」
同じ過ちは繰り返すまい、と決意を込めて透子を見つめていると、透子は照れたように視線を逸らした。
すると、透子も透子で、今のやりとりから何か思うところがあったのか、高山のことを話題に出す。
「今日、やなちゃんがうちに来て。で、昨日のこと話したの」
もしかして、それがきっかけで俺の家に電話してきたのだろうか?
高山と何を話したかはわからないが、ためらいがちな口ぶりからすると、案外、俺の悪口でも言い合って意気投合したのかもしれない。
「友達なんだな」
透子が高山を大切に思っていることは、透子の家の工房で相談を受けたから、知っている。
高山が透子を大切に思っていることも、神社で石膏像として話を聞いたから、知っている。
同じことは、井美にも、永宮にも、たぶんカチューシャの彼にも言えるだろう。
強い絆で結ばれた友人たちに囲まれた透子のことを、羨ましいと、やはり思う。
けれど、そんな透子だったから、俺はきっと彼女に惹かれた。
惹かれて、それで、俺は、そんな透子の――。
「あの、私と駆くんは……なに?」
「えっ……?」
じっ、と上目遣いにこちらを見つめてくる透子。
なんと言っていいのか、一瞬頭が真っ白になる。
我に返ったときには、透子の視線は俺から外れていた。
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