86:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/09(火) 21:38:15.39 ID:W+HAaMa50
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約束の時刻より早く日乃出浜にやってきた俺は、砂浜に座り、寄せては返す波を眺めながら、昨日の考察の続きに耽っていた。
「待った?」
明るい声がして、俺は振り返る。もちろん、そこにいたのは透子だ。
「いや、待つのは嫌いじゃないし」
約束の時刻に遅れるのは避けたいしな。
「って、待ったのね……?」
期待した答えと違っていたようで、透子は拗ねたように呟き、それから俺の隣に腰を下ろした。
「くすぐったい?」
「えっ?」
「波の音」
戯れに言ったことを覚えてくれていたらしい。些細なことなのに、やけに照れくさく感じる。
「以前とはちょっと違う感じかな。こんな時間に海に来たのは初めてかもしれない」
波の音だけではない。透子に出会ってからは、初めてのことばかりだ。
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