98:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/13(土) 23:53:38.61 ID:sOMkQtx30
「そうか、そんなことがあったのか」
「あっ、いや、ほんとそれだけ! それ以外は何も……」
「でも、透子はそこで、激しく動揺したってことだろ?」
「え……?」
透子が一瞬こちらを見る気配がした。けれど、俺は振り返らずに考えを続けた。
《――お似合いのカップルね――》
あの高山の台詞が、透子の不安によって形作られたものならば、今の透子が悩んでいるのは、俺との関係だ。
なら、俺を意識するきっかけとなった場所――すなわち、美術準備室に行けば。
「《未来の欠片》について、新しいことがわかるかもしれない」
「本当……?」
「今度は俺と一緒に行ってみないか?」
何気ない会話の端々から、透子が高山や井美のことを気にしているのは察せられる。
透子と彼らの間にあるすれ違いは、主に俺が原因で起こっている。
もし、透子が俺と関係を持つ上で、彼らに負い目や引け目を感じているのなら。
始まりの場所に行ってみることで、それが少しは解きほぐせるのではないだろうか。
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