99:名無しNIPPER[saga sage]
2019/04/13(土) 23:58:11.44 ID:sOMkQtx30
「……あっ、でも――」
「なに?」
気まずそうに目を逸らす透子。俺は先に立ち上がり、彼女の返事を待つ。
「……うん、そうだよね。何か――」
透子の気持ちが固まると、俺は昇降口へ向かった。
「どこ?」
「あっ、玄関入って右!」
校舎に入り、電気の点いていない薄暗い廊下を右に曲がって、奥へ進む。
そのうちに透子が追いついて、俺を先導した。
「……こっちよ」
辿りついたのは、廊下の突き当たり。
透子は部屋の前に立ち、気持ちを奮い立たせるように、呼吸を整える。
「ここがそう」
扉を開け、思い切って中に入っていく透子。その後ろ姿を目で追いながら、俺は部屋の様子を観察した。
木製のテーブルの上にはデッサン用の小物が置かれている。壁際の棚には美術道具が雑多に並び、古びた埃と絵の具の匂いが漂ってくる。
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