324: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/05(木) 22:09:43.81 ID:CpqiXUex0
双眼鏡を眺めながら周囲を見渡しつつ、耳の音を全て判別しながら時は過ぎる。車内に戻り水を一杯口に含んでいると、正面を向いていた麻子さんの声が車内に響いた
「西住さん、怪我人だ!」
「怪我人!」
先に敵がいるのか!すぐに頭を出して様子を見ると、優花里さんが肩にカエサルさんの腕を背負ってこちらに駆けて来ていた
「優花里さん!」
「西住殿、負傷者です!カエサル殿が肩を撃たれました!」
負傷したのはカエサルさんのようだ。すぐに車輌を降りて傷口を確認する。機銃弾で右肩の上部の皮の一部を吹っ飛ばされたようだ。骨には到達しておらず、大事ないだろう
カンだけれど、症例のなかでは遥かにマシな方だ
「……骨までは届いてないみたいなので、布を巻いて止血してください。敵はいたようですが、何処に?」
「この道の半分少し手前程、約1km先です。セモベンテ2輌、カルロベローチェ1輌が道の脇の森の中で待機中!」
その対応に追われている間に山郷さん達が合流した。こちらは怪我などは追ってないようだ
「山郷さんのほうは?」
「こちらはP40が1輌、セモベンテ1輌が道の脇で待っていました」
「……主力を分割して森で待機?」
顎に手をかける。敵の方が戦車の性能が明らかに劣るのだから、分散して各個撃破されるのは愚の骨頂。防御有利でもないのだから、リー将軍でさえやらないぞ
「我々を二手に分けさせる気ですかね?西住殿。だとしたら何のために……」
「ちょっとグデーリアン、痛い」
「我慢するであります」
カエサルさんが肩に視線を向けて顔をしかめるが、優花里さんら顔色変えず肩に巻いた布を締める。こういうのが後々効いてくるからな。彼女は装填手だから、肩に痛みがあると務めさせ続けるのは厳しい
「優花里さん、消毒は?」
「手持ちで何とかしました」
何持って来ているのか、とも思ったが、軟式の試合でも怪我する可能性はあるからな。救急箱はあっても不思議じゃない。それがそこまで大きくないカバンからパッと出てきたことは驚きだが
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