34: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/06/30(日) 23:16:36.84 ID:GH7YNYU90
その日の夜寝床で選択科目の紙と向かい合っていた。腕には体の左肩から右脇腹へ包帯が巻かれたクマの人形を抱えている。
榴弾が斜面に命中し崩れる音。川に滑り落ち沈むIII号の姿。川に降りキューポラを開け戻ってきてから嗅いだ煙の匂い。
それらが一通り終わると次は銃声、鮮血の熱、手から感覚が薄れ地面から聞こえる金属音。
そして砲声、機銃音、叫び声。
目を瞑りクマの人形を力強く抱きしめた。
眼前にはあの時の光景が寸分狂わず浮かび上がってくる。
「自分の……道……」
微かな望みをかけて昼間五十鈴さんに言われた言葉を頭の中で繰り返す。だが一瞬の希望は昔の罵声と恐怖にかき消された。
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