399: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/22(日) 22:30:47.63 ID:0HQ/L1/L0
7時、遠軽町生田原八重、東側の摺鉢山から西側に広がる麓に笛の音がこだました
「ただ今より準決勝第1試合、大洗女子学園対プラウダ高校の試合を開始します!」
審判の高らかな合図とは裏腹に皆の士気は上がらない
「開始と言われても……どうにもならないよな、コレ」
それが総意だった。外は完全に吹雪いている。遥か先はおろか、小さな町の外れの木さえ見えない。寒い
「これは、海ノ口城の戦いだ……」
「いや、桜田門外の変ぜよ……」
「第2次ポエニ戦争のアルプス越えだろ……」
「冬戦争のスオムッサルミの戦いだ……」
「それだ……といいがな」
カバさんチームが口々に言い合っているが、寒いせいか口調が暗い。全く、私たちの空気まで凍えちゃどうにもならんぞ
「優花里さん、気温は?」
フードを外し耳を気にせず建物内を歩き回る。優花里さんが建物の温度計に駆け寄った。水銀はここでも凍らないらしい
「マイナス32度であります」
道央に近いこの町は1年の温度差が激しいが、そんなこの町でもこの気温は珍しいらしい。昨今の異常気象のせいだろうか。しかし不安の原因はそんなものではない
「エンジンはかかりそうですか?」
「ダメです。セルが回らずオイルも凍っています。動きそうにないですね」
自動車部の面々がIV号の上で答えた。だろうな。こんな環境で満足に動ける戦車なんて、ロシアかカナダかスウェーデンくらいでしかそもそも設計されないだろう。そしてロシア人はそんな事より量産性を重視する
「焼きレンガで暖め続けてください」
建物唯一の暖炉にはまきとレンガがくべられ続ける。その外側にフードを被った人々が半円状に並ぶ。時々その遠近を巡って争いが起こっているようだが、時々交代することで決着したようだ
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