402: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/22(日) 22:37:21.61 ID:0HQ/L1/L0
〜ゆきーのしんぐんこーおりをふんでー どーれがかわやらみちさえしれずー〜
外の吹雪はさらに激しさを増している。歌の途中で息を吸おうとした時に喉が固まるような感覚を覚える。優花里はそこで歌うのを止め、胸元から小型の簡易温度計を取り出す。気温はマイナス37度、なんと先ほどよりさらに気温が低下したのだ。下手に立ち止まったりしたら、その場で血液が凍ってしまいそうだ
「グデーリアン、離れるな!」
エルヴィンの声で優花里は距離ができてることに気づき、胸元に温度計を戻すと、足で雪を掻き分けながら近づいた。そのまま並んで歩み続けるが、周りの景色は至って単調、白一色だ。たまに視界に入る枝しかない木が無ければ、本当に道さえ知れないだろう
「……しょうがない、引き返そう、グデーリアン!一面真っ白で敵も何もない。逆にこのまま行くと迷ってしまうぞ」
その時、優花里は見た。絶対に味方ではない姿を
「え、エルヴィン殿、あれっ?T34とスキー兵、プラウダの攻撃部隊であります!」
彼女の指差した先には2輌の戦車とその周りに棒のように立つものの群れがあった。2人は素早く近場の稜線の裏に隠れて伏せる。優花里はさっと双眼鏡を構えた
「まさかこの天候で……早く戻って報告を!」
立ち上がり背を向け引き返そうとする優花里の肩をエルヴィンが押し留める
「待てグデーリアン、様子がおかしい」
遠目でだが確かにそれらには妙な違和感があった。2人はゆっくりと稜線の裏から出て、腰で雪を掻き分けて道を作りながら近づく。その違和感は近づいていく中で明らかになった
もう彼らは動いていない。動く気配もない。戦車の履帯はほぼ雪で埋まり、砲身にもかなり雪が積もっている。周りの人だったものも腰まで雪に埋まり頭の上にも積もっている様子から、ここに来たのはだいぶ前だとわかる
「これは……」
「おそらく迂回か奇襲のための部隊だろう。プラウダ兵ですらこの寒波には耐えられなかったんだな。よかったと言うべきか、気の毒と言うべきか……」
2人は無言のまま、出来るだけ彼らの目を見ないようにしつつモシンナガンの弾を遺体から少々拝借し、腰でできた道がかき消されないうちにその場を離れた
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