425: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/26(木) 21:09:30.81 ID:d3dmTuuHO
「……ははは……あいつらにまた会ったら……生きたくなっちまう……とは思わない……のかい?」
「痛みは人間の苦痛の根源。それから逃れようとすることは、何があっても揺らぎませんよ」
「……そうか……そうだ……ひとつ……いいかい?」
「はい?」
「私の服の……胸ポケットの……中に……パイプが……」
「……失礼します」
幾層にもなった服を掻き分け、彼女が初めに着ていた服に辿り着く。そこには透明な袋に入ったパイプが、少し歪んだ形で入っていた
「……歪んでますね」
「……そうだろうなぁ……真ん中の辺りを……持って……口元へ……」
「はい」
袋の周りは溶けたパイプが張り付きかけていたが、それを注意深く外してゆっくり口元へ寄せると、口をかすかに開いてそれを受け止めた
「ふぅ……」
「船舶科の帽子はいかがします?」
「……それはいいかな」
ゆっくり、小さく左右に首が振れた
「親分!」
「ど、どういうことなの!」
生き残っている2人が必死の形相で詰め寄る
「……そのままさ……このままじゃ……みんなに……迷惑かけるだけ……」
「じ、冗談……だよね?」
「冗談で……こんなこと……言えるか?」
私が無言で自身の拳銃に球が込められているか確認している様をちらりと見て、2人とも口を閉じた
「……なぁに……向こうには……そこの2人がいるんだ……怖くは……ない……」
そう言いつつも手先が震えるのはこの寒さのせい、ということにした
「何か他に言い残しておきたいことは?」
「……勝て……プラウダにも……黒森峰にも……大洗女子学園は……残すんだ……絶対に……船底を……守るために……
ラム……カトラス……お前らに……会えたことを……忘れはしない……私の元にくるの……暫くの……楽しみに……させてくれよ……
この身体じゃ……暫く……酒は……必要なさそうだ……ま……向こうで……楽しめるかは……分からないけどね……
西住さん……これでいい」
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