438: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/10(木) 20:52:35.70 ID:nCryEuB7O
その間にもプラウダ戦車道部隊は南進を続けていた。シベリアの雪上を移動するトナカイの群れの如く
「ノンナ!」
「はい」
並んで走行するT34/85の車長である同志が声を掛けてきた
「やはりあそこの高台に登っているわね」
「ええ。西住流、お前は間違っていない。我々が15輌であれば、な」
一度視線を彼女から山裾へ向ける
「こういう時は相手に見つかったら終わりなのよね。ま、でもそう動く他ないんでしょうけど。で、前衛は彼奴らにしてあるわよね?」
「勿論です。後ろに下がろうとしたら前を撃って良いと精鋭には伝達済みです」
「そう。あ、そうだ。ノンナ、一度列を離れて静止射撃していいわ。あそこに榴弾一発行けるかしら?」
「あそこですか……撃ってもいいですけど、距離3000はありますから、ほば当たりませんよ。そもそもIS2は装填弾薬28発しかありませんし」
「6輌を潰すのに、28発も必要なの?ノンナ
それにこの数よ。当たらなくてもいいわ、脅しくらいにはなるでしょう。プラウダに堂々と対抗することの愚かさを奴らに思い知らせてやりなさい」
「……分かりました」
IS2は群れから右に外れる。ある程度進んだところで静止し、照準器に氷の如く冷酷な目を当てる。脳の中で激しい数字の変換が行われる。この砲身の歪みを考慮すれば、狙いは定まったはずだ
それが終わった時、私の指はトリガーを引いていた。十秒ほど宙を駆け抜けた榴弾は大洗の戦車隊を確実に狙っていた
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