514: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/21(月) 23:30:47.50 ID:YuTUMZY30
皆の支度が終わり、窓の外を眺めたり床に横たわってくつろいでいた頃、予定時刻丁度に扉が開く
「大洗女子学園の皆さん、時間です。出発してください」
係の者の案内のもと、移動用のバスまで行く。入り口を出ると、上からゆっくりと落ちてきている物がある。白いが、雪ではない。雪にしてはあまりにも大きすぎる
「ビラだ」
「あれ……黒森峰?」
「フォッケ、アハゲリス……間違いありません、黒森峰です」
それぞれ近くのビラを手に取る。空中のものを捕まえる者もいれば落ちたものを拾う者もいる。私も適当に捕まえた。
「何これ、アルファベットに点々が付いてる」
「ドイツ語だな。英訳も書いてある」
「日本語で書けばいいのに……」
麻子さんは少しその英文を眺め、スラスラと訳し始めた。流石だな。私も意味はないと予測しつつも、文面には一応目を通す
「大洗女子学園の皆さん。我が校は皆さんに投降を勧告します。試合だからとはいえ、我々はいたずらに犠牲者を出すことを望みません。戦闘を放棄して投降した者には危害を加えません。私物は没収せず、友人達と同室にて収監し、その後はただちに全員解放し帰宅させることを約束します、かな」
フン、自分の顔を鏡で見ながらそれをしゃべってみやがれ
「えっ、それって!」
「戦わなくても降伏すれば無事帰れるの!」
一部の者の顔が変わる。アホか、私の話を聞いてなかっ……たか。だが私に従ってきた者たちだ。何をするか……予想できるだろう
「くさいな」
左衛門佐さんが首をひねる。ま、武田を知ってりゃこれくらいの罠は分かるか
「うむ、これは敵の某略。相手の士気を鈍らせる常套手段。今まで捕虜を殺しまくっておいてどの口が言うんだ!」
「甘く見るなよ、黒森峰!」
河嶋隊長が縦にビラを引き裂き、その音で皆の少し浮かれた感情は突き崩された
よかったよかった。本当に離脱だけは避けてほしいもんだったし
バスに乗り、都市の南西の郊外にある会場、前線へ向かう
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