564: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/31(木) 20:51:19.78 ID:1TDhW2kZO
黒森峰学園都市郊外 ブレスラウ地区
目下には黒森峰学園都市の主要部が一面に広がっている。周りに視界の邪魔になる物は無い。ここなら敵が攻撃を仕掛けてきても、すぐに分かるし対応できる
そしてこっちから攻撃を仕掛けなければ敵はこっちに来るしかない。エンジンを切っても問題ない。むしろ掛けていて燃料切れにでもなったら洒落にもならない。だが暫くは来ないだろう。それが分かっている者たちによる穏やかな空気が高台に漂う
「飲む?」
あるパンターに乗る者が同乗者にペットボトルを渡す。この者たちは初参戦だ
「ありがと、このまま戦わず判定勝ちなら良いのにね」
受け取ろうとした時、ティーガー2の上で双眼鏡を構えていた私がこちらを向いたことに気づいたようだ
「あ……すみません、隊長」
試合前に言われたことを思い出したらしい。確かに大洗を全滅させろ、と言ったのは私だ。仮にこれまでの大会の最中だったなら、こんな発言など許されなかったに違いない。すぐに隊長の拳が彼女たちのほおを襲ったであろ打つ
しかし私は違う。口元を緩ませ、その者を安心させようとする
「いや、お前の言う通り、これは硬式戦、会場の外に出ている奴らが反則負けで誰も死なずに優勝できるなら、それが一番いい」
それが黒森峰や西住流の方針に反していることなど分かりきっている。そうでもなければ決勝に大洗は来ていないだろう
「なんなら自衛隊が片付けてくれれば楽だったんだけどねぇ」
しかし『非常時に最上の策を取れる人間』、それが出来る人間を真っ先に殺し、人の命を部品にする硬式戦車道を快く思えなかった。その者という損害は二度と取り戻せないというのに。きっといつか、この戦いもなくなるといいのだが、私がそれを差配できるような立場になるには、まずここで勝つしかない
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