627: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/14(木) 21:11:16.34 ID:JuXJT1NJO
「頼もしいだなんて……臆病なだけです。臆病だからバカにならないと動けないんです」
なぜ私は今こうして『西住』であろうとしているのか。あの憎むほど嫌っていた西住の道に沿うように
簡単だ
「バカだから、こうして目の前で、私を支えてくれた友達が次々死んでいるのに、まだ試合のことを考えているんです。どうすれば勝てるのか、ただそれだけを考えてしまうんです」
吐く息が白く変わる。優花里さんの先程の笑いも消える
「小さい頃からお母さんに戦車道をやらされている内に自分が極力傷つかないコツを覚えました。意味を考えない、何も想像しない、バカになってやるべきことをただやる、やり続ける……とにかく楽になりたかったんです」
空には何本も煙が消えてゆく。上着の上の幾つかのボタンを外し、左胸の方をシャツにする。そこにそっと指を触れる
「私のここには爆弾が埋まっているんですよ。バカになった報いです。嫌な事はすぐに押し込んで蓋をして、もう見るのも怖くて開けられない爆弾です。もし破裂してしまったら……私にもわかりません」
全く恐ろしい想定だ。胸元から指を外し、二本の腕を力無く降ろし、首を振る
「頼もしいどころか自分の記憶から逃げ続けている、臆病なだけの人間です」
シャツの上に上着を戻すと、片手の指でさっさとボタンをはめる
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