661: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/17(日) 23:00:15.46 ID:nhXQpGdt0
トンプソンのマガジンを抜き、マガジンポーチから新たなマガジンを取り出して装填する。引き金に指をかけ、戦車をできるだけ引き付けている
口が渇く。先程の2人を狙う時より鼓動は激しい気がした。私がやろうとしているわけじゃないのに
30……20……15……。距離は近づいた。敵はこちらには気づいていない。今なら奇襲が成功するはず
その距離3メートル。迷わず建物の隙間から飛び出していった。銃をキューポラの上の方に向けて連射する。音からして最初の3発ほどはキューポラに当たったようだがその後は当たったらしく、素早く隙間に戻ってきた。敵車輌は機関銃を準備する間も無く、横を通り過ぎていく
「後続がいる。逃げるよ」
「は、はい!」
言われるままに狭い中を頑張って走って行く。後ろの車輌が機関銃をこちらに向けたようだが、コンクリートの壁2枚挟んだこちらまでは流石に貫通しない。何とかして私たちは隙間を通って隣の通りまで出る事ができた
成功だ。これで敵の隊列位は崩せただろう
「や、やりましたね」
「……逃げるよ。追ってきてる」
「えっ……」
興奮していたのか、そう言われるまで背後から足音の群れが鳴っていたことには気づかなかった
「……まずいね」
「このまま振り切れますかね?」
「……土地勘は向こうにあるし、数だってある。これは……足だけだね、頼れるの」
「なに、私だって走ることにかけてなら、負ける気はありませんよ?」
「……車で、だろう?」
「うっ……」
「……まぁ、行こう」
確かに彼女の足は速かった。脚力も一応の自信はあるが、それをも上回る勢いでカーブと直進を繰り返す。それに続こうと必死でいるうちに、いつの間にか沢山の声は遠くに消えていた
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