13:名無しNIPPER[saga]
2019/10/13(日) 16:40:57.57 ID:Bh2qsw+10
そこから先は地獄絵図だった。
抜いた王冠はバスタブに投げるという最低限の交戦協定が敷かれ、あとは顔と言わず身体と言わず打ち込んで良いというレフェリーなしアンパイアなしの血で血を洗う総力戦となった。一本目の『とっときの冷たいヤツ』は畳の温室風呂場の温室でずっと辛抱していた身体には劇薬もしかりといった具合だったので、互いを凍えさすように友紀は下から俺は上から全部を相手に注ぎあった。下からの噴き上げは最初目にクるがすぐに股間にキンキンの発泡が染み渡って怖気を振るうほど心地よかった。つむじで逆さまにした俺の瓶は友紀の顔シャツパンツの順に滝と流れてあまりの冷たさにその場で駆け足する。そして同時に目に染みてよろけてぶつかって大爆笑する。爆笑しながら二本目を取る。たちまち立ち込める酒精の湿度におされるように開けた瓶をひとまず呷る。と、向こうも真似して口をつけ始めたスキに墓石にするように振りかける。くぐもった悲鳴をあげながらビールを離さない友紀を指までさして笑うと、お返しとばかりに飲みかけの瓶をぶん回されてスプリンクラー状に喰らう。三本目に手をつけた頃には肌着もズボンもとっくに黄ばんで重さを感じるほどに泡を吸い、許容量を超えたビールがびたびたと滴り落ち、排水溝がその残りを飲み下して行くところであった。
もったいな、と。
その様をちらと見た刹那に、ぐいと引っ張られた襟首に瓶が直入し、濁流がだぼだぼと胸板をそそり落ちた。
「て、なんでこれ冷たいんだ冷たあっ!」
「あっはははははははははは!」
雨だれと哄笑が交差する。最初の一本だけが冷たいというブラフにまんまと引っかかった。その悔しさを胸に手元の栓を抜き意趣返しにと下手人を見下し
見た。
シャツが透けて張り付き輪郭が浮くほどに濡れそぼった肢体を。
見てわかる双丘にレリーフのような襞を刻むブラジャーの意匠を。
霧散する酒気を吸い泉のように浴び艶を返す仄紅い頬を。
それが手の届く場所に突っ立っている無防備を。
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