6:名無しNIPPER[saga]
2019/10/13(日) 16:21:09.17 ID:Bh2qsw+10
「……クーラー、点けてないのな」
戸を開けた瞬間に冷気が流れ込んでくるのを期待していたが、出迎えは外気の同等の扇風機の熱風と、友紀の応援で茹で上がった空気だった。友紀が布団がわりに使いがちなねこっぴーのぬいぐるみクッションも、うだった様に四肢を広げている。
まあ、予想はついていた。なにしろ、アパートの外までキャッツ贔屓の声援は筒抜けだったから。
しかし当の友紀は汗だくのまま、俺の落胆などどこ吹く風だ。
「だってー、その方が野球っぽいじゃん?」
「キャッツのホームはドームだから冷房完備だろ」
「そこはそれ、これはこれ! あたしはやっぱりグラウンド出身だし、それにビールは暑い方がおいしーからねっ! ほらほら座った座ったー」
やれやれと諦めて座ると同時に、シュポッ、と景気のいい音がして銀色の缶が押し付けられる。
手に取るや否や、
「イェェェイ!!」
既にあったまっているテンションに負けじと声を張る。
「ウェェェェェェェイ!!」
こぼれろといわんばかりに拳ごとビールをぶつけ合い、勢いのまま呷る。
「あっはっは! なになにウェェェェイって!!」
先に口を離していた友紀がけらけら笑いながらちゃぶ台に手を伸ばす。鳥から、ゲソから、ポテトチップスにフライドポテトに軟骨・ウインナー枝豆……みごとに女子力ゼロ野球力1000の取り合わせだ。
「ありがと……んむ、なんでもいいだろなんでも」
「い…………っよぉぉぉしナイスキャーっち!! いいよいいよー冴えてるよぉぉ?!」
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