1: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:14:11.82 ID:8JKDuDbL0
五月「!」
風太郎「はぁ……」
五月「上杉君、今すごい事口走りませんでしたか?」
風太郎「ん?もう過去問1年分解けたか?採点と解説するか」
五月「まだですが……」
風太郎「勉強に集中しろよ。そろそろ本番も近いだろ。今年こそは合格、だろ?」
五月「それはもちろん!ですけど、今とんでもない発言が」
風太郎「なんか言った?」
五月「二乃と……別れたいとかなんとか」
風太郎「!」
2: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:20:40.06 ID:8JKDuDbL0
風太郎「そんな事お前の前で言っていたのか、俺……はぁ……疲れてるなぁ」
五月「最近ため息多いですけど、二乃と喧嘩でもしました?」
3: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:27:26.13 ID:8JKDuDbL0
五月「ですが、女の子なら憧れちゃいますね、花嫁衣装」
風太郎「しかし俺達まだ21かそこらだぞ。俺に至ってはまだ就職も決まってないし、学生の内から結婚とか無理だろ」
4: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:37:44.45 ID:8JKDuDbL0
五月「お父さんと……うわぁ、それは大変ですね」
風太郎「他人事のように言いやがって。お前のお父さんでもあるだろ。食事の時どんな会話すればいいんだ?」
5: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:40:48.46 ID:8JKDuDbL0
五月「で、別れたい、と。結婚迫られただけで二乃の事嫌いになっちゃったんですか?小さい男……」ヒキッ
風太郎「……はぁ」
6: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:44:11.05 ID:8JKDuDbL0
風太郎「会うたび会う度に『フーくんは絶対金髪似合うから、髪染めて!』って。うるさくて」
風太郎「それにあいつメチャクチャ御洒落だろ。俺は金ないからズボラな格好していたら、そこもネチネチ言われてよ」
7: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:50:46.17 ID:8JKDuDbL0
風太郎「とまあこんな感じだったけど、なんとか仲良くやっていたんだが」
風太郎「半年前くらいかなぁ。俺も高校の頃は尖っていたが、お前たちに出会ってから徐々に他人とのつながりを大切にするように心がけていてだな、いろいろな人付き合いもあるわけ」
8: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 18:59:05.92 ID:8JKDuDbL0
風太郎「その子とはそれっきりで。二乃の奴が終始怖い目で睨んでたからな」
風太郎「という本怖エピソードがある」
9: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 19:06:09.67 ID:8JKDuDbL0
風太郎「と、これまでの話でわかったと思うが、二乃の奴、嫉妬深いしかなり縛ってくるんだよ」
風太郎「で、そんな二乃と結婚したらこの先マジで大変なんじゃないかなーって、最近常々思っているわけ」
10: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 19:09:10.57 ID:8JKDuDbL0
風太郎「そのA。料理に関しても嫉妬深い。だいぶ前の話だけど、二乃と一緒に三玖が働いているレストラン行ったんだ」
風太郎「ほら、俺たち高校の頃は色々あっただろ……でも、それを乗り越えて仲良くやってるんだけど」
11: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 19:13:52.91 ID:8JKDuDbL0
五月「思ったより問題は根深いようですね」
風太郎「お前に話したら少し楽になったわ、サンキュ。やっぱり付き合って結婚するなら肩肘張らなくていい相手がいいよなぁ……はぁ……」
12: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 19:49:06.85 ID:8JKDuDbL0
五月「はわわっ、ど、どうしましょう……四葉は……お、怒ると思います!」
風太郎「はぁ……だよなー……じゃあこのままニ乃と付き合うしかないのか……」
13: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 20:23:58.42 ID:8JKDuDbL0
風太郎「そいつは二乃と違って垢抜けてないし、要領は悪いし、ちょっとだらしない奴だ」
風太郎「分不相応な夢を追っかけて、苦手なことをずっと頑張っている不器用な馬鹿だ」
14: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 20:31:29.29 ID:8JKDuDbL0
風太郎「実は二乃に頼まれたんだよ。お前の夢、諦めるように諭して来いって。それで、俺、二乃と別れようって決心したんだ」
風太郎「お前が夢に向かってどれだけ頑張ったか、その積み重ねを全部無駄にしろってのはちと許せんよな……」
15: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 20:43:33.29 ID:8JKDuDbL0
五月「上杉君はいいですよね。成績優秀で有名大学に現役合格して、素敵な彼女もいて、大学では友達もいるんでしょ?理想的なキャンパスライフじゃないですか」
五月「あの頃友達ゼロのガリ勉君で似たもの同士と勝手に親近感抱いていたんですが」
16: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 20:48:19.20 ID:8JKDuDbL0
五月「ですが、感謝しています。浪人して、一人ぼっちになって自暴自棄な私を……家庭教師を続けるという形で支えてくれたあなたには……」
五月「こうして3年間も、毎週、家で勉強をマンツーマンで教えてくれて……あなたも忙しいでしょうに」
17: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 20:59:16.97 ID:8JKDuDbL0
風太郎「夢諦めちゃったらお前きっと駄目になると思う。現役の時、不合格の後の事思い出せよ。本当にみんな心配したんだぞ」
風太郎「一花も上京やめるって言うし、四葉もお前と一緒に浪人するって言って聞かなくてなぁ」
18: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 21:07:21.42 ID:8JKDuDbL0
風太郎「恥ずかしくて言えなかった。俺たち、相性最悪だったから。でも、色々あって、四葉や二乃と付き合って改めてわかったんだよ」
風太郎「俺がリラックスして俺らしく……上杉風太郎らしくいられるのは、お前と一緒の時間だけだって」
19: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 21:10:38.12 ID:8JKDuDbL0
五月「駄目っ……」
五月は俺の腕から逃げようと身を捩ってきた。しかし、その力は弱々しかった。
20: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 21:17:46.77 ID:8JKDuDbL0
五月「ひゃっ」
服の上から胸を揉む。五月はいつも肩を出して胸元の開いた服を着ていた。上杉は高校時代からずっと目のやり場に困っていた。
21: ◆PCseyR20JA[saga]
2019/11/10(日) 21:21:45.84 ID:8JKDuDbL0
男が重い足取りの彼女を支えるようにして二人は寝室に入った。
風太郎「大丈夫だって。優しくするから。なあ……」
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