10: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:02:56.51 ID:EqlApZsio
ヘルト連合王国は大きく三つの地区に分かれている。
広大な湖の中心にある小島に、王城、貴族階級の住居・宿泊施設を備える最も狭い地域を「ムート区」。
職人、商人、教会関係者の住居の他、庁舎、各種ギルドホールなど、交易・都市機能の中心となる埋め立てられた地域を「クラフト区」。
クラフト区から東西南北に伸びる長い四つの橋から先、湖畔を造成した一般的な労働階級の人間が住む最も広い地域を「リーベ区」と呼ばれ、いずれの地区も砲撃に耐えられる厚い外壁で囲まれている。
王都の市民はクラフト区とリーベ区の行き来は自由であるが、ムート区への立ち入りは原則できず、往来する外部の人間は各地区に入る前に税を支払う必要がある。
湖から小高い山を挟んで流れる河川より先はすぐに海へ通じており、貿易港と軍港を備え、陸路以外の大量の物資輸送を可能にし、多種多様な物品、文化が行き交う交易都市とも言える。
シルフはソフィアも抱き抱えながらムート区の遊歩道を歩いていた。
立ち並ぶブナの木は紅葉の絶頂期なら美しい黄金色や茜色になるが、本格的な冬の到来が近づいているせいか、葉は散りはじめてしまっている。
早朝のせいか、行き違うのは礼拝の行き帰りの僧侶が多く、シルフの事を知るものは立ち止まり手を合わせて深々とお辞儀をした。
中にはソフィアの存在に驚くものもいたが、まぁ、シルフがそばにいるのなら、と騒ぎ立てることもなかった。
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